AWSは先頃、AWS Panorama Applianceの一般提供(GA)を開始すると発表した。カスタマが自身の施設にインストールして、既存のオンプレミスカメラからの複数のビデオストリームを解析するアプリケーションを実行できる新しいデバイスである。
昨年のre:Invent中にAWSは、オンプレミスカメラにコンピュータビジョンを導入して、高精度かつ低レイテンシな自動予測の実施を可能にする、AWS Panorama ApplianceとそのSDKをプレビューとして発表していた。ほぼ1年後の今、同社はGAを発表した。
AWS Panorama Applianceは、さまざまな環境 — インターネットアクセスのない場所を含む — で使用可能なデバイスである。デバイスをコンソールに登録するか、あるはデプロイメントにSDKを使うことで、インターネット接続がなくても動作する。
AWS Newsのブログ記事では、AWSプリンシパルデベロッパアドボケートのSébastien Stormacq氏が、ApplianceとSDKがユーザに提供するものについて説明している。
AWS Panorama Applianceを使うことで、従来は人手による検査を必要としていたタスクの自動化が可能になり、潜在的な問題の可視化が改善されます。例えば、生産品質の評価、産業プロセスにおけるボトルネックの識別、職場のセキュリティ監視といった作業が、インターネット接続の限定的な、あるいは存在しない環境においても可能になるのです。さらに、ソフトウェア開発キットを使うことで、カメラ製造者が同等の機能を、自社のIPカメラに直接取り込むこともできます。
出典: https://aws.amazon.com/panorama/
AWS以外のパブリッククラウドベンダも、エッジにおけるマシンラーニングや他の機能には注目している。例えばMicrosoftは、AI(Artificial Intelligence)や分析ワークロードをオフロードするサービスとして、自社のAzure IoT Edgeを位置付けている。Googleも先頃、Googleインフラストラクチャをエッジやカスタマのデータセンタに拡張するハードウェアとソフトウェアのソリューションセットとして、Distributed Cloudをローンチした。
AWSでAmazon Machine Learningを担当するバイスプレジデントのSwami Sivasubramanian氏はプレスリリースで、AWS Panorama Applianceについて次のように語っている。
建築、医療、工業、小売、輸送を始めとするすべての産業において、企業は常に、自社の運用改善とコスト削減に取り組んでいます。これらの目標を達成する上では、コンピュータビジョンが価値ある機会を提供するのですが、テクノロジの複雑性、インターネット接続に関する制限、レイテンシ、既存ハードウェアの能力不足など、さまざまな要因によって阻害されている場合が少なくありません。このような障壁を取り除き、カスタマが既存のオンプレミスカメラを活用しながら、調査タスクの改善、運用上の複雑性の低減、コンピュータビジョンを通じたカスタマエクスペリエンスの向上を実現できるようにするため、私たちはAWS Panorama Applianceを開発しました。
AWS Panorama Applianceは現在、米国、カナダ、英国、EUのAWS Elementalで販売されている。 AWS PanoramaサービスはUS East(北バージニア)、US West(オレゴン)、Canada(中央)、Europe(アイルランド)の各リージョンで提供される他、数か月以内にさらに拡大される予定だ。料金の詳細は価格ページに掲載されている。