Microsoftは先頃、Azure Database for MySQL — Flexible Serverの一般供与(GA)を開始すると発表した。
Azure Database for MySQL — Flexible Serverは、データベース管理機能とコンフィギュレーション設定に関して、Single Serverデプロイメントモードよりも詳細なコントロールとフレキシビリティを提供するために、新たに設計されたデプロイメントモードである。
約1年前に同社は、MySQLデータベースに対する最大限のコントロールとフレキシビリティ、カスタマイズ機能をカスタマに提供することによって、必要なパフォーマンスとスケール性、高度な可用性、コスト最適化という目標を短期間に達成可能にする、Flexible Serverのプレビュー版をリリースしていた。その後、ほぼ1年間にわたってさまざまな機能が追加され、継続的な改善が実施された結果が、今回のGAとなったのだ。
新しいデプロイメントモードは次のように設計されている。
- GitHubやTerraform、Azure Kubernetes Services、Web Appsと事前統合されたツールを使用することによる、アプリケーションデプロイメント・エクスペリエンスの簡素化
- 同一ゾーンとゾーン冗長による高可用性とを選択するオプションや、最大10個の読み取りレプリカが可能なスケーラビリティにより、高い可用性とレジリエンスを備えたスケーラブルなアプリケーションデプロイメントを実現
- 300以上のパラメータによる詳細なチューニング、メンテナンススケジュールの選択、ストレージのプロビジョンに依存しないIOPSスケーリング、CPUおよびメモリリソースの最適量の指定が可能
- ユーザによるコスト最適化が可能
- 完全なネットワークアイソレーション、保存データの暗号化、TLSおよびSSLの実施を完全にコントロール可能な暗号化コネクションによるデータ安全性
ユーザはAzure Portal、CLI、あるいはARMテンプレートを使ってAzure Database for MySQLを生成した上で、Flexible Serverデプロイメントモードオプションを構成する。Flexible ServerオプションがサポートするMySQLがバージョン5.7と8.0のみである点には注意が必要だ。さらに、SingleおよびFlexible Serverモードに次いで、MySQLをAzure VMsにデプロイすることも可能である。
Stack Overflowの最新の開発者調査によると、MySQLは開発者が最も多く使用しているデータベースである。MicrosoftやGoogle、AWSといったパブリッククラウドプロバイダが、自社のプラットフォーム上でMySQLサービスを提供するのは、このような理由による。例えばGoogleは、MySQL、PostgreSQL、SQL Serverを対象に、完全マネージドなリレーショナルデータベースのCloud SQLを提供している。Cloud SQLは現在、MySQL 8.0、5.7、5.6をサポートしており、マネージドデータベース毎に最大416GBのRAMと30TBのデータストレージを提供する。MySQL on Amazon RDSも同じく、これらのバージョンをさまざまなインスタンスサイズでサポートする。
Microsoft Techコミュニティのブログ記事では、GitHubでプロダクト、プラットフォーム&インフラストラクチャのディレクタを務めるIlya Tillis氏が、次のように述べている。
自社データセンタ内で数百のデータベースサーバを管理する大規模MySQLショップである私たちは、パフォーマンスと信頼性を備えたデータ層を構築するために何が必要なのかを熟知しています。MySQL Flexible Serverの持つゾーン冗長性とプロビジョニングスケーラビリティは、GitHubにおける社内クラウド使用の拡大を促進するための力になっているのです。
Azure Database of MySQL Flexible Serverは現在、世界30以上のリージョンで使用することができる。サービスに関する詳細はAzure Database for MySQLのランディングページに、費用はプライシングページに、それぞれ紹介されている。