AWSはSageMaker Studio Labを発表した。開発者が機械学習技術を学び、その技術を実験するのに役立つ無料サービスだ。SageMaker Studio Labは、JupyterLab IDE、CPUとGPUのモデルトレーニング、15GBの永続ストレージなど、開始するためのベースとなるものをすべてユーザに提供する。
SageMaker Studio Labには、ノートブックを使ってデータ分析、科学コンピューティング、機械学習プロジェクトを作成するためのすべての基本機能がある。GitリポジトリやプライベートAmazonS3バケットを介して簡単にインポート/エクスポートできる。
SageMaker Studio Labは、人気のあるGoogle Colab環境との選択肢となる。無料のCPU/GPUアクセスを提供する。
AWS SageMakerのもう1つの追加機能は、SageMaker Canvasと呼ばれる視覚的なノーコードツールだ。Canvasを使うと、ビジネスアナリストが機械学習モデルを構築し、予測を生成できるようになる。これは、クラウドやオンプレミスで異種のデータソースを参照し、データセットを組み合わせ、データが更新されたらモデルをトレーニングすることで実現される。新しいサービスは、データのアップロード、モデルのトレーニング、予測の実行を行うためのウィザードスタイルのユーザインターフェイスを提供している。
さらに、AWSは、新たにターンキーサービスも導入した。これによって、専門家の労働力を使って高品質のトレーニングデータセットを提供すると共に、企業が独自のアプリケーションを管理する必要がなくなる。この新しいサービスは、SageMaker Ground Truth Plusである。SageMaker Ground Truthを使うと、データサイエンティストは、組織の内外でラベラーと連携する選択肢を得られる。
もう1つの新しいSageMaker機能であるSageMakerトレーニングコンパイラは、ディープラーニングモデルのトレーニングを加速することを目的としている。これは開発者のPythonプログラミングコードを自動的にコンパイルし、モデル専用のGPUカーネルを生成することで実現される。コンパイラーはディープラーニングモデルを最適化して、SageMaker機械学習GPUインスタンスをより効率的に使うことでトレーニングを加速する。このサービスは、SageMakerプラットフォーム内で無料で利用できる。
最後に、SageMakerサーバレス推論である。これは新たな推論の選択肢となる。これによって、ユーザが基盤となるインフラストラクチャを構成・管理せずに、推論用の機械学習モデルをデプロイできるようになる。サーバレス推論を使うと、SageMakerは推論要求の量に基づいて計算能力を自動的にプロビジョニング、スケーリング、オフにする。顧客は、推論コードの実行期間と処理されたデータの量に対してのみ支払いを行い、アイドル時間に対しては行わない。
無料のSageMaker Studio Labアカウントをリクエストできる。顧客に高品質の体験を提供するために、新規アカウント登録の数は制限される。サンプルノートブックは、Studio Lab GitHubリポジトリにある。