GitLab 14.6の新しいGeo構成では、cloneコマンドとpullコマンドを高速化するために地理的に最も近いレプリカを使用することで、プロセスを簡素化している。また、GitLabのエージェントがリアルタイムイベントのログに記録するためのアクティビティリストも導入しており、そして、.NET 6をサポートする。
GitLab Geoレプリカにより、GitLabインスタンスへのローカルの読み取り専用アクセスができる。そのため、pull操作とclone操作をより高速に実行できる。Geoレプリカは、大規模なリポジトリを使用する大規模な分散型組織に関連する機能である。GitLab 14.6より前は、ユーザはメインリポジトリへのすべての書き込みリクエストを対象にして、cloneまたはpullに使用するレプリカに対応する適切なURLを使う必要があった。
GitLab 14.6では、代わりに、ユーザに最も近いGeoレプリカを自動的に使用する唯一の組織のURLを使うことができる。さらに、セカンダリレプリカは、書き込み要求をメインのGitLabインスタンスに透過的にプロキシするため、ユーザがレプリカに対して実行できる操作の種類に関する制限がなくなる。
GitLabのKubernetes Agentに、アクティビティイベントのログに記録する機能が含まれるようになった。初期では、アクティビティリストにはトークンの作成イベントとクラスタ接続イベントが含まれているが、近い将来、イベントが追加され拡張される予定だとGitLabは言っている。
GitLab 14.6では、マークダウン編集エクスペリエンスも改善している。リッチとテキストのマークダウン編集モードをシームレスに連携させることができるようになった。以前はあるモードから別のモードに切り替えるときに変更を保存する必要があった。
前述のように、GitLab 14.6では、Microsoftの最新の.NET Coreリリースの.NET 6をサポートするための更新がある。具体的には、GitLabの.NET用静的コードアナライザのセキュリティコードスキャンが、最新の.NETバージョン用に更新された。セキュリティコードスキャンは、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング、クロスサイトリクエストフォージェリなど、さまざまな脆弱性を検出できる。同じように、GitLab SASTでは、.gitlab-ci.yml
で最新のセキュリティコードスキャンを有効にした場合に、.NET 6プロジェクトが検出され、新しいスキャン機能が適用される。
.NET 6のサポートに加えて、GitLab 14.6コードスキャンは、Spotbugs、PMD、Semgrep、Gosecなどの多くのアナライザーをアップデートしている。これらのアナライザーは.gitlab-ci.yml
で特定のバージョンを指定しない限り自動的に使用される。さらに、CIパイプラインのスキャンポリシーを.gitlab-ci.yml
から独立して定義できるようになった。
GitLab 14.6には、この記事でまとめているもの以外にも多くの新機能がある。すべての詳細については公式発表をお見逃しなく。