BT

最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ

寄稿

Topics

地域を選ぶ

InfoQ ホームページ ニュース KubeVelaが1.2を発表:拡張可能なエンジンを備えたアプリケーション中心のプラットフォーム

KubeVelaが1.2を発表:拡張可能なエンジンを備えたアプリケーション中心のプラットフォーム

原文(投稿日:2022/02/17)へのリンク

 

KubeVelaは、ハイブリッドのマルチクラウド環境間でアプリケーションをより簡単かつ迅速に配信できるようにするための最新のアプリケーション配信プラットフォームだ。OAMコミュニティは2022年1月にKubeVelaプロジェクトのバージョン1.2をリリースした。新しいGUIフレームワークVelaX、統合されたマルチクラスター管理機能が提供され、アドオンエコシステムを備えた拡張可能な設計となっている。

InfoQは、OAMコミュニティの共同開発者でメンテタンス担当であるJianbo Sun氏にインタビューした。

InfoQ: OAMは2021年にCNCFサンドボックスプロジェクトとしてCNCFに参加しました。CNCFサンドボックスプロジェクトになった後の、サブプロジェクトOAM仕様とKubeVelaの技術的進化について詳しく説明していただけますか。

Jianbo: OAMとKubeVelaは、最新のアプリケーション管理の課題を解決するために導入されました。

一般に、最新のアプリケーションはさまざまなインフラストラクチャの設定とAPIで構成されています。一方で、これらの異種アプリケーションの部品を相互に接続することは困難です。その結果、インフラストラクチャに一貫性がなくなり、共通の変更管理を確立することが困難になっていました。

The OAMはアプリケーションのモデルであり、さまざまな種類の設定とAPIを結合できる共通のインターフェースを提供します。これは、OAMが1つのアプリケーションの信頼できる情報源になる可能性があることも意味します。KubeVelaは、OAMの実装として広く知られています。これは、本番環境の変更を安定して安全に保つことができる配信プロセスの施行でもあります。

OAMが CNCF プロジェクト なった後、多く採用されており、100人以上の貢献者が自身のアイデアを提案しました。ますます多くの企業がクラウドを採用するにつれて、ハイブリッドおよび分散型クラウドは確実に将来の標準になるでしょう。KubeVela v1.1では、アーキテクチャがハイブリッドクラウドとマルチクラスターコントロールプレーンにアップグレードされました。私たちはマルチクラスターアプリケーションの配信と管理をネイティブにサポートする配信ワークフローを提供します。

2022年の初めに、KubeVelaはv1.2をリリースしました。そして、新しいGUIプロジェクトVelaUXを提供しました。使い勝手のよい選択肢を提供しています。それは開発者の学習曲線を短縮するためのもので、使いやすいWebコンソールを提供しています。KubeVelaコミュニティは、設立当初からWebコンソールを求めてきました。KubeVela 1.2は新たなGUIを提供します。これは、開発者が標準的な方法で異種アプリケーションをオーケストレーションし、作成するのに役立ちます。

ユーザは、アドオンの管理、Kubernetesクラスターの接続、配信ターゲットの配布、環境のセットアップ、あらゆる種類のアプリのデプロイ、ランタイムステータスの監視、アプリケーション配信の完全なライフサイクル管理をすることができます。

 


 

InfoQ: KubeVelaは、フロントエンドフレームワークVelaXと拡張可能な設計を導入しています。プラットフォームをカスタマイズし、アドオンエコシステムを拡張するためです。これは、従来のPaaSに対してどのような競争力がありますか。

Jianbo: 従来のPaaSでは通常、基盤となる機能がハードコード方式でWebコンソールに統合されていました。優れたユーザエクスペリエンスを提供しますが、クローズドアーキテクチャのため、ユーザが新しい機能を追加したり、拡張したりするのに非常に長い時間がかかります。

VelaUXはKubeVelaのフロントエンドプロジェクトであり、GUI要素に拡張可能なバックエンド機能を動的に提供します。これを実現するために、X-Definitionを使ったフロントエンド記述仕様 UISchemaと、多次元クエリ言語VelaQLを設計しました。この設計により、WebコンソールはKubeVelaの異種アプリケーション配信アーキテクチャと一貫性を持つことになります。

その結果、KubeVelaはUIスタイルとともに機能を簡単に拡張できます。1.2リリースでは、ユーザがシステム機能をアドオンとして拡張できるようにするアドオンシステムも提供しています。VelaUX自体も同じメカニズムを使用するアドオンです。カタログリポジトリにプルリクエストを送信することで、どなたでもアドオンを追加できます。

さらに、VelaUXは、ハイブリッドクラウドおよびマルチクラスターコントロールプレーンとして設計されています。OCMおよびTerraformと緊密に統合することで、マルチクラスターおよびマルチクラウド管理ができるようになります。また、アドオン設計システムにより、他のテクノロジーと簡単に統合できます。

InfoQ: OAM仕様は、いくつかの新しい概念も導入したまったく新しい仕様です。これにより、既存のプロジェクトの開発と保守がより複雑になり、学習曲線が長くなりますか。

Jianbo: OAMでは、複雑さをシンプルにし、基盤となるインフラストラクチャを抽象化するための新しい概念がいくつかあります。クラウドネイティブエコシステムの急速な成長に伴い、何千もの新しいテクノロジーが出現しています。OAMは、ユーザが統一された抽象化でプロジェクトを管理できるように、これらのテクノロジーを結合することを目的としています。開発者に必要なのは、複雑なビジネス要件を処理するためにOAMの概念を1回学ぶだけです。

既存のプロジェクトに関しては、KubeVelaにより、既存のインフラストラクチャとテクノロジーが非常によい形で統合されています。ユーザは独自のCIシステムを使用できます。たとえば、 Jenkinsや 他のイメージレジストリWebhookを使って、KubeVelaによるアプリケーション配信をトリガーできます。ユーザは、 コンテナーイメージヘルムチャートクラウドリソースKubernetes YAMLなどのさまざまな種類のアーティファクトを、複雑なセットアップ不要でデプロイすることもできます。

Kubernetes CRDコントローラやTerraformリソースをKubeVelaと統合するのに労力はかかりません。つまり、既存のプロジェクトがKubernetesまたはクラウドリソースに依存している場合、KubeVelaを採用する際の移行に関する懸念はありません。

このブログから1.2リリースの詳細を学ぶことができる。クイックスタートとデモに倣って、KubeVelaを使ってみてください。

作者について

この記事に星をつける

おすすめ度
スタイル

特集コンテンツ一覧

BT