AWSは先頃、Amazon Rekognitionの新機能として、ライブビデオストリーム上でリアルタイムなアラートを提供するStreaming Video Eventsの提供を開始すると発表した。
画像やビデオを分析するマネージドサービスは、カメラメーカやサービスプロバイダが、ネットワーク接続されたカメラのライブビデオストリームから人や動物といったオブジェクトの検出を行う場合に有用なサービスである。Streaming Video Eventsは、対象とするオブジェクトが検出されると、即座にデバイスに対する通知を起動する。AWKのプリンシパルプロダクトマネージャであるPrathyusha Cheruku氏は、機能の内容を次のように説明する。
このサービスは、カメラによってモーションイベントが起動された時にのみ、ビデオクリップの分析を開始します。対象とするオブジェクトが検出されると、検出されたオブジェクト、それを囲む境界ボックスの座標、検出されたオブジェクトの拡大イメージ、タイムスタンプを含む通知が送信されます。Amazon Rekognitionのトレーニング済APIは、照明条件やカメラアングル、解像度がさまざまであっても、高い精度を提供することができます。
出典: https://aws.amazon.com/rekognition/connected-home
Amazon Rekognition Videoは、ビデオストリームの受信と処理にKinesis Video Streamsを使用する。顔の検出と認識、あるいは接続されたホームラベル(home label)の検索には、AWS::Rekognition::StreamProcessor型の生成するストリームプロセッサが使用されている。
また、マシンラーニングの推測コストをより適切に管理するため、処理するビデオクリップの長さ(10~120秒)の指定、人やペットやパッケージなど1つ以上のオブジェクトの選択、カメラモーションイベントからの偽イベントの最小化、といったことが可能になっている。従来の動体検出に対するStreaming Video Eventsのメリットについて、Cheruku氏は次のように説明している。
たくさんのカメラメーカやセキュリテイサービスプロバイダが、カメラドアベル(camera doorbell)や室内カメラ、屋外カメラ、付加価値通知サービスなどを含むホームセキュリティソリューションの提供を通じて、ユーザが自分の資産で何が起きているのかを理解するための支援をしています。そこでは、動体検知機能を備えたカメラを自宅の出入り口に設置して、アクティビティをリアルタイムでユーザに通知するという"バックヤード動体検知"が行われます。しかしながら、動体検知にはノイズが多く、風や雨などの無害なイベントによって動作する場合もあります。これが"通知疲労"を引き起こし、結果としてホームオートメーションのセットアップが役に立たないものになるのです。
AWSによると、サービスプロバイダはこの機能を使って、例えばAlexaが"玄関に荷物が届きました"とアナウンスしてくれるような、より優れたアプリ内エクスペリエンスを作り上げることが可能になる。別の記事では、Mike Ames、Prathyusha Cheruku、David Roboの3氏が、この新機能を使った3xLOGICが、エージェントを監視するライブビデオストリーム上でインテリジェントビデオ分析を提供した方法について説明している。
Stream Video EventsだけがAmazon Rekognitionの新機能ではない。2022年内の発表では、Rekognition Videoにはテキスト検出に新言語が追加された他、精度とコンテンツモデレーションの改善されたFace APIが新たに導入された。
Video Streaming Eventsは、Northern Virginia、Ohio、Ireland、Mumbaiなど、一部のAWSリージョンを対象に提供されている機能である。ラベル検出の費用は0.00817ドル/分で、分単位の課金となる。Kinesis Video Streamsの処理には別途費用が必要だ。