2022年5月30日、今週のJavaラウンドアップは、OpenJDK、JDK 19、Spring Shell 2.1.0-M4、Spring Native 0.12.0、Spring Cloud Stream Applications 2021.1.2、Spring Security OAuthの開発終了、Micronaut 3.5.1、Quarkus 2.7.6.Final、Apache Groovyバージョン3.0.11と2.5.17、JobRunr 5.1.3、MicroStreamがMicronaut Foundationに参加、といったニュースをお届けする。
OpenJDK
1週間のレビューが完了し、JEP 428 "Structured Concurrency (Incubator)"は、JDK 19のProposed to TargetステータスからTargetedステータスへの昇格を果たした。Project Loomが推進するこのインキュベートJEPは、異なるスレッド内で動作する複数のタスクをひとつの作業ユニットとして扱うライブラリを導入して、マルチスレッドプログラミングを簡単にしようというものだ。エラー処理やキャンセルが簡略化されることによって、信頼性が高まると同時に、可観測性の向上も期待できる。JEP 428については、こちらのニュースストーリで詳しく取り上げている。
JDK 19
JDK 19 早期アクセスビルドのBuild 25が先週公開された。Build 24から、さまざまなイシューの修正を含むアップデートが実施されている。詳細はリリースノートで確認して頂きたい。
開発者のバグ報告はJava Bug Databaseまで。
Spring Framework
Spring Shell 2.1.0に向けた4回目のマイルストンリリースの公開準備が完了した。Spring Boot 2.7.0への依存関係アップグレード、リライトされたコマンドサブシステム、動的登録コマンドのサポート、Function
あるいはConsumer
として定義可能になった実行ターゲット、テンプレート経由で表示される組み込みヘルプコマンド、などがその内容だ。詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
Spring Native 0.12.0がリリースされた。バグ修正とドキュメントの改善に加えて、GraalVM 22.1、Spring Boot 2.7.0、Spring Cloud 2021.0.3への依存関係のアップグレードがフィーチャーされている。このリリースに関する詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
Spring Cloud Stream Applications 2021.1.2がリリースされた。バグ修正と改良が施されている。Spring Boot 2.6.8とSpring Cloud 2021.0.3をベースとした今回のリリースには、Spring Cloud Stream 3.2.4、Spring Cloud Function 3.2.5、Spring Integration 5.5.12、Spring Kafka 2.8.6といった依存関係のアップグレードも含まれる。詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
Springは、Spring Security OAuthとSpring Security OAuth Boot 2という自動コンフィギュレーションプロジェクトの開発を終了すると発表した。今後、クライアントとリソースサーバのサポートはSpring Securityが、認証サーバのサポートはSpring Authorization Serverが、それぞれ提供する予定である。
Micronaut
Micronaut FoundationはMicronaut 3.5.1をリリースした。バグ修正、Micronaut Servletのパッチリリース、org.reactivestreams:reactive-streams
とio.micronaut.grpc:micronaut-grpc-bom
の両モジュールをそれぞれバージョン1.04および3.3.1にする依存関係アップグレードがその内容だ。詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
MicroStreamがSilver SponsorとしてMicronaut Foundationに参加することも合わせて発表された。新たなMicronaut MicroStreamプロジェクトは現在プレビュー機能で、MicronautとMicroStreamのコラボレーションとして開発される。非営利団体として2020年1月に設立されたMicronaut Foundationは、Technology Advisory Boardによる支援の下、Micronautフレームワークのイノベーションと採用促進を目的として活動している。
Quarkus
Red Hatは、Quarkus 2.7.6.Finalを、2.7リリーストレインのメンテナンスリリースとして提供する。SmallRye Metrics 3.0.5、SmallRye OpenAPI 2.1.22、SmallRye Config 2.9.2、Hibernate Search 6.1.5.Final、Vert.x 4.2.7、ByteBuddy 1.12.9への依存関係アップグレードが含まれる。
Apache Groovy
Apache Groovy 3.0.11がリリースされた。65件のバグ修正と改善、依存関係アップグレードが提供されている。詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
Apache Groovy 2.5.17も同時にリリースされた。23件のバグ修正と改善、依存関係アップグレードがその内容だ。このリリースについても、詳細はリリースノートを参照して頂きたい。
JobRunr
Javaでバックグラウンド処理を実行するユーティリティJobRunrの創設者で中心的開発者のRonald Dehuysser氏が、バージョン5.1.3をリリースした。JobRunrがクラスパス上に2回リストされた場合のエラーメッセージ表示が新機能だ。