Stack Overflowは量子コンピューティング、ナノテクノロジー、ブロックチェーンなどの「話題性のある」技術や、クラウドコンピューティング、機械学習、ロボティクスなどの実証済みの技術を含む幅広い分野の技術についてソフトウェアエンジニアが有用性と影響をどのように捉えているかを測る技術評価調査を発表した。
Stack OverflowのプロダクトマーケティングマネージャーであるJoy Liuzzo氏は、今回の調査のポイントとして、異なる技術がもたらす価値に関するデータを単独の技術ではなく文脈で見ることが重要だと強調している。
多くの場合はサイロ化しているため、他の技術がどう考えられているのかを知る機会がないのです。
調査結果は「ネガティブ」から「ポジティブ」への影響と、「実験的」から「実証済み」への軸に沿って4象限でまとめられている。「ポジティブ - 実証済み」の象限には、調査に回答したエンジニアが実証済みのポジティブな影響をもたらすと考える技術が含まれており、「ネガティブ - 実験的」の象限にはそのインパクトを証明できていない実験的な技術が含まれている。
Stack OverflowのデータアナリストであるErin Yepis氏は、調査結果は現在のメディアの「バズり具合」と比べると意外に思うかもしれない、と言う。ブロックチェーンやローコード・ノーコードに関して言えばメディアの熱い取り上げ方にもかかわらず、エンジニア達はネガティブ - ポジティブの尺度でも、実験的 - 実証済みの尺度でも、それらをあまり評価していないように見えるからだ。
量子コンピューティングやナノテクノロジーのような他の技術は、実験的 - 実証済みの尺度でもっとも低いスコアを獲得しているが、ポジティブな影響を与えるという点でネガティブ-ポジティブの閾値を超えている。これは、エンジニア達がこれらの技術が将来的には役立つと考えているが、まだそこに至っていない考えていることを示唆している。
AIアシスト技術にも同様の理由が適用されるかもしれない。この技術は最近注目を集めている。しかし一方で関連分野の機械学習は両軸でもっとも評価の高い技術の一つである。
エンジニア達はAIが現時点では実証済みの技術ではないことを認める一方で、その方向性について非常に前向きなようだ。
Liuzzo氏によればオープンソースは知識の共有と再利用の方法として理解されており、両軸でもっとも良い位置にある技術となっている。Stack Overflowの利用者がオープンソースの言語やツールを多用する傾向があるから、特筆するまでもないだろう。
オープンソースの成功の背景にはオープンソースが教育目的に適したプラットフォームであり、エンジニアはオープンソースのコンテンツでプログラミングを学ぶという事実があるとYepis氏は考えている。また彼女は、本調査結果とStack Overflowの最新のエンジニア調査を関連づけて、より良い給与を期待してオープンソースの特定の技術を身につけるエンジニアが多いことがもう一つの成功要因だ、とも述べている。
Stack Overflowの技術評価調査にはたくさん情報が溢れていて短い本記事ではとても紹介しきれない。中立評価が持つ影響やエンジニアがより実践的なトレーニングを求めている技術の分析などはその一例だ。興味があれば、ぜひともフルレポートを一読して欲しい。
訳注: 技術評価調査 フルレポート