今週 ※1 のラウンドアップは、データサイエンス、機械学習、人工知能の分野から最新のニュースや情報をお届けしたい。本記事ではOpenAI、Microsoft、Meta、Bloombergなど、新たなブレークスルーやイノベーションが注目される市場の主要な競合他社を紹介する。
OpenAIのGPT-4
OpenAIは、大規模言語モデル(LLM)であるGPTファミリーの次世代であるGPT-4を最近発表した。GPT-4は、テキストと画像の両方の入力を受け付け、いくつかの自然言語処理(NLP)ベンチマークにおいて、最先端のシステムを凌駕している。またこのモデルは模擬司法試験で90%台のスコアを記録した。
またOpenAIはAIの安全性に対するアプローチを発表した。これはAIシステムが人間のフィードバックから学習する能力を向上させ、AIを評価する際に人間を支援することを明記するもので、アプローチの目標は、他のすべての調整問題を解決するのに十分に調整されたAIシステムを構築することである。
MicrosoftのSemantic Kernel
Microsoftが発表したSemantic Kernel (SK)は、大規模言語モデル(LLM)と従来のプログラムの統合を可能にするオープンソースの軽量SDKで、プロンプトテンプレート、ベクトル化メモリ、知的計画などの機能を活用することができる。
またMicrosoftの研究者はTaskMatrix.AIを紹介した。このAIは基礎モデルと数百万のAPIを接続してタスクを完了させる新しいAIエコシステムである。基礎モデルを何百万もの既存のモデルやシステムAPIと統合することで、さまざまなデジタルタスクや物理タスクを実行できるスーパーAIを実現する。現在AIモデルやシステムは特定のドメインに効果的に対処するように設計されているが、それらの実装や動作メカニズムが多様であるため、基礎モデルがそれらにアクセスすることは困難とのことだ。この新しいエコシステムはこれらのAIモデルやシステムを接続するための統一されたフレームワークを提供することで障害を克服することを目的としている。
MetaのSegment Anything Model
Meta AIはSegment Anything Model (SAM)を導入した。新しいタスク、データセット、モデルの導入により、画像セグメンテーションの民主化を目指す。このプロジェクトではSegment Anything Model (SAM)とSegment Anything 1-Billion mask dataset (SA-1B)を導入している。
ブルームバーグのGPT
ブルームバーグは、膨大な量の金融データで学習させた新しい大規模言語モデル(LLM)であるBloombergGPTをリリースし、金融分野の様々な自然言語処理(NLP)活動に役立てる狙いだ。BlooombergGPTは金融データを迅速に評価し、リスク評価や金融の感情分析、さらには会計や監査活動の自動化に役立てることができる最先端AIである。
※1 訳注: 原文記事は2023年4月7日公開