AWSは最近、移行機能を強化するため、Application Migration Service(MGN)のGlobal View、ローカルディスクからのインポートとエクスポート、起動後の追加アクションの3つの重要なアップデートを発表した。
AWS Application Migration Serviceは、高度に自動化されたリフト&シフト(リホスト)ソリューションであり、アプリケーションのAWSへの移行を簡素化、迅速化、コスト削減する。同社は、AWSへのアプリケーション移行にこのサービスを推奨している。今年初めには、サーバー移行のメトリクス・ダッシュボード、インポートとエクスポート、立ち上げ後のモダナイゼーション・アクションの追加など、いくつかのアップデートが行われた。
現在の3つの新しいアップデートでは、ユーザーはグローバルビュー機能を活用して、複数のアカウントにまたがる移行を監視・管理し、ローカルディスクからインベントリリストをインポートおよびエクスポートし、事前定義された起動後のアクションを利用して移行エクスペリエンスを向上できる。これらの機能は、移行プロセスを合理化し、可視性を向上させ、AWS上のアプリケーション移行をより柔軟に制御することを目的としているのだ。
最初のアップデートは、複数のAWSアカウントにまたがる大規模な移行を管理できるGlobal Viewの導入だ。この機能により、異なるアカウントのソースサーバー、アプリケーション、Waveに対する可視性とアクションの実行が可能になる。ユーザーは、AWS Organizationsを利用して管理アカウントとメンバーアカウントを構成し、複数のアカウントにまたがるソースサーバーにアクセスして管理できるのだ。
2つ目のアップデートは、ローカルディスクからインベントリリストをインポートおよびエクスポートするオプションである。これまではS3バケットからインベントリファイルをインポート・エクスポートできたが、ローカルディスクから直接インポート・エクスポートできるようになった。この機能により、大規模マイグレーションのシームレスな管理が可能になり、EC2インスタンスタイプ、サブネット、タグなどの属性を含むインベントリの取り込みが簡素化される。
最後の3つ目のアップデートでは、移行されたアプリケーションに対して 4 つの追加の事前定義された起動後のアクションが導入された。これらのアクションは、AWSでサーバを起動した後、ユーザにより多くのコントロールと自動化を与える。新しい事前定義されたアクションには、Linuxインスタンスの時間同期の設定、ディスクスペースの可用性の検証、事前定義されたURLへのHTTP(S)接続性の検証、Amazon EC2リソースのセキュリティスキャンのためのAmazon Inspectorの有効化などが含まれる。
Google Cloudでは、AWS Application Migration Serviceに匹敵するサービスとして、Google CloudのMigrate for Compute Engineがある。これは、オンプレミスや他のクラウドプラットフォームからGoogle CloudのCompute Engineインフラストラクチャへの仮想マシン(VM)の移行をするのだ。さらにMicrosoft Azureでは、同等のサービスとしてAzure Migrateがある。この包括的な移行ソリューションは、オンプレミス、他のクラウドプラットフォーム、Azure仮想マシンからの仮想マシン、アプリケーション、データベース、データの移行など、さまざまな移行シナリオをサポートしているの。
最後に、AWS Application Migration Serviceの詳細については、Application Migration Serviceユーザーガイドを参照して欲しい。