GoogleはGoogle CloudのApplication Integrationの一般提供を発表した。Integration Platform as a Service(iPaaS)は、顧客がアプリケーションをコードなしで視覚的に接続できるように設計されている。
同社は以前、Application IntegrationをApigee API Management のアドオン機能として 提供した。しかし、顧客はGoogle Cloud上の統合機能として直接アクセスすることを求めていたのである。それに応えるため、Apigeeを使用しなくてもアプリケーション統合ができるスタンドアロン製品が登場した。
同社はこの製品について、"クラウドネイティブな製品であり、シンプルなポイント・アンド・クリックの設定によって、自社開発およびサードパーティ製SaaSのあらゆるアプリケーションを接続し、ビジネスプロセスを自動化できる"と説明している。この製品は以下を提供するのだ。
- 直感的なドラッグ・アンド・ドロップ・インターフェース(ビジュアル・デザイナー)により、ユーザーは個々の制御要素(エッジ、フォーク、結合)などをドラッグ・アンド・ドロップすることで独自の統合パターンを構築できる
- 任意のGoogle Cloudサービス(BigQuery、Pub/Subなど)やサードパーティアプリケーション(Salesforce、MongoDB、NetSuiteなど)への75以上の構築済みコネクタライブラリ
- APIコール、Cloud Pub/Subイベント、Salesforce イベントなど、またはCloud Schedulerを使用して統合する組み込みトリガーセット
- 包括的なマッピング機能を備えたデータマッピングエディタ
アプリケーション統合製品のVisual Designerのスクリーンショット(出典:Google Cloud Console)
GoogleはこのiPaaS製品で、同様の機能を提供するBoomi、Software AG、IBM、Salesforce、マイクロソフトといったベンダーがいる市場へ参入した。クラウドプラットフォーム(Platform Service)でネイティブに利用可能な製品である点で、グーグルの製品はマイクロソフトLogic Appsと比較するのがもっとも適している。さらに、AWSのStep Functionsは、これらの製品と同様の機能をもたらすが、iPaaSというラベルはついておらず、Lambda(Functions)とより結びついている。
Google CloudのDevRelおよびアウトバウンド製品管理担当ディレクターであるRichard Seroter氏は、次のようにツイートしている。
これは、私が見てきた中で、より優れたv1クラウドプロバイダー統合プラットフォームの1つだと言える。他の製品に搭載されるのに時間がかかった多くの機能(例えば、運用、ダウンロード/アップロード)がすでにここにある。チームのみんな、よくやった!
さらに、スタンドアロン統合をGoogle Cloud Platformにもたらす原動力は何かというInfoQの質問に対して、Google CloudのVP/GM兼プラットフォーム責任者であるAmit Zavery氏は次のように答えている。
アプリケーション統合は新しい課題ではないが、接続が必要なシステムが増えるにつれて、より複雑かつ重要になっています。組織には柔軟性が必要で、既存の統合に必要以上に縛られたくありません。またプロセスが変更され、もはや意味をなさない統合を置き換えたくなるかもしれません。これが、Google CloudのIntegration ServicesポートフォリオにApplication Integrationが加わった理由なのです。我々の目標は、あらゆる規模の企業が、複雑なコーディングや手作業のプロセスを必要とせずに、アプリケーションとデータを視覚的に接続可能にすることです。
そして最後に、Constellation Research Inc.の主席アナリスト兼バイスプレジデントであるホルガー・ミューラー氏は、InfoQに次のように語っている。
アプリケーションの統合は、より多くを展開し、オンプレミスとクラウドの棲み分けが進む中で、企業にとって依然として大きな悩みとなっています。APIが解決策になるはずだったが、アプリケーションの接続やAPIの呼び出しには、多くの......細部に宿る悪魔がいることが分かりました。なのでGoogle社がアプリケーション統合にApigeeを中核とした視覚的なアプローチを選択したのは良いことだ。これは、より多くのユーザー、特にビジネスパーソンに統合の道を開くでしょう。
最後に、サービスの詳細はドキュメントのランディングページで確認できる。さらに、チュートリアルによるガイダンスや、価格ページの価格詳細も利用可能だ。