OpenAIは、エンタープライズグレードの保護とプライバシー、より高速でのGPT-4無制限アクセス、より長い入力を処理するための拡張コンテキストウィンドウ、追加のデータ分析機能、カスタマイズの可能性などを提供するChatGPT Enterpriseを発表した。
OpenAIによると、人工知能は私たちの職業生活のあらゆる分野を改善し、チームの創造性と生産性を高めることができるという。これは、あらゆる活動を支援し、ビジネスに合わせ、データを保護できる職場に向けたAIアシスタントの作成に向けた重要な進歩を意味する。
ChatGPT Enterpriseは、ドメイン認証統合、シングルサインオン統合、利用統計ダッシュボードなど、従業員が社内でChatGPTをどのように利用するかをコントロールするツールを備えた、まったく新しい管理者ポータルを提供する。従業員は、共有可能なディスカッションテンプレートにより、社内のワークフローを構築するためにChatGPTを利用でき、企業は、必要であれば、OpenAIのAPIプラットフォームへのクレジットを使用して、ChatGPTを搭載したソリューションを完全にカスタマイズできる。
さらにChatGPT Enterpriseには、コード・インタープリターとして知られていたChatGPTの機能の1つである、Advanced Data Analysisへの無制限アクセスも含まれている。この機能により、ChatGPTはデータの分析、グラフの作成、数学の問題の解答などができる。
ChatGPT PlusとChatGPT Enterpriseは、OpenAIの最高AIモデルであるGPT-4を搭載している。一方、ChatGPT Enterpriseの顧客は、GPT-4への優先的なアクセスが可能であり、32,000トークン(約25,000ワード)の拡張コンテキスト・ウィンドウで、通常のGPT-4の2倍高速なパフォーマンスを提供する。
ChatGPT Enterpriseの導入は、チャットボット業界の競争が激化している中で行われた。そこでは、OpenAI、マイクロソフト、Google、Anthropicなどの企業が、AIの"軍拡レース"を繰り広げている。これらの企業は、新しいチャットボットアプリケーションを発表するだけでなく、革新的な機能を導入し、日常的に使用されるジェネレーティブAIの普及を促進するために競争している。
Googleとマイクロソフトは、それぞれBard とBingのチャットボットをビジュアル検索などの新機能で継続的にアップデートしている。さらに、OpenAIの元幹部が設立したAIスタートアップのAnthropicは、AIチャットボット「Claude 2」で市場に参入した。