テスラはこのほど、サードパーティ製アプリケーションの統合をサポートする初のAPIドキュメントを公開した。これらのAPIは主に車両管理用に設計されているが、アプリのエコシステム開発の出発点になる可能性があるとして、開発者の関心を集めている。
新しいAPIを使用すると、アプリケーションは、アカウント情報を表示し、車両ステータスを取得し、リモートコマンドを発行するために車両所有者の許可を要求ができる。車両所有者は、どのアプリケーションにアクセス許可を与えるかを管理し、いつでもこれらの設定を変更できる。
リバースエンジニアリングされたAPIは長年使用されてきたが、自動車メーカーが過去にソフトウェア開発キットやサードパーティアプリのエコシステムを作るという選択肢を議論したとしても、公式な選択肢はなかった。Electrekの Frédéric Lambert編集長はこう書いている。
この動きは、テスラが最近Herzと共同で新しい車載車両管理とレンタル・ソフトウェアをリリースしたことと関係がありそうだ。(中略)テスラはおそらく、このプロジェクトのためにAPIを通じて公式にアクセスできるようにしなければならなかったが、今は誰でも利用できるようにしている。テスラ向けのサードパーティアプリを作ることで、いくつかの繁盛ビジネスが生まれたが、それらはグレーゾーンで運営されていたため、少し不安定だったからだ。これらのアプリが公式APIで動作するようになれば、合法的なビジネスとなり、さらに多くのアプリが登場することになるだろう。
現在、以下のAPIエンドポイントが文書化されている。充電エンドポイント、パートナーエンドポイント、ユーザーエンドポイント、車両エンドポイント、車両コマンドである。ドキュメントには、cURL、JavaScript、Python、Rubyリクエストの例が記載されている。例えば、以下のcurlリクエストは、与えられた座標へのナビゲーションを開始するnavigation_gps_requestコマンドを実行する。
curl --header 'Content-Type: application/json' --header "Authorization: Bearer $TESLA_API_TOKEN" --data '{"lat":45.65292317088107,"lon":13.765238974015045,"order":"integer"}' 'https://fleet-api.prd.na.vn.cloud.tesla.com/api/1/vehicles/{id}/command/navigation_gps_request'メルセデス・ベンツのコネクテッドカー・ストラテジスト、Mark Gerban氏は次のようにコメントした。
これが開発者にとって収益を生み出すのに役立つかどうかは興味深い。開発者たちが大きな牽引力を発揮し、より大きな機能を持つ大手をピックアップしたいのであれば、見返りを提供する必要があるだろうからだ。
Hacker Newsの人気スレッドでは、多くの開発者が興奮しているが、グラフィックスとコンピュータビジョンのエンジニアであるJames Darpinian氏は警告している。
この機能のほとんどすべては、テスラの公式アプリで使われているリバースエンジニアリングされたAPIを通じて、何年も前から利用可能だった（中略）ここでの違いは、テスラがサードパーティーのために、公式にサポートされた新しいAPIを作成し、公式ドキュメント、スコープ認証、登録が必要な開発者プログラム（将来的には支払いも）を明示的に提供していることだ。おそらく、SDKが完成すれば、古いリバースエンジニアリングAPIを使ったアプリの取り締まりを開始するだろう。
今年初め、テスラはテレメトリ・プロトコルのサーバー・リファレンス実装であるFleet Telemetryを発表した。このサービスは、開発者が車両に直接接続し、デバイスの接続を処理し、送信されたデータを受信・保存を可能にする。設定されたデバイスは、設定可能な遠隔測定記録をプッシュするためにWebSocket接続を確立し、Fleet Telemetryはクライアントに ack、error、またはrate limitの応答を提供する。
APIキーを取得し、APIエンドポイントとやり取りするには、開発者はテスラアカウントを作成し、オンボーディングプロセスに従い、承認をリクエストする必要がある。