先日のre:Inventカンファレンスで、AWSはAmazon RDSが、Standard EditionとAdvanced Edition両方を含むIBM Db2をサポートすることを発表した。Db2は、PostgreSQL、MySQL、MariaDB、SQL Server、Oracleに続き、このマネージド・データベース・サービスがサポートする6番目のエンジンとなる。
驚くべきレガシーデータベースへの取り組みでは、RDSは現在、Linux、Unix、Windows(LUW)向けのDb2v11.5.9をサポートしているが、z/OSメインフレーム向けのDb2はサポートしていない。AWSのバイス・プレジデント兼チーフ・エバンジェリスト、Jeff Barr氏はこう書いている。
Amazon RDSの使いやすさ(ハードウェアのプロビジョニング、インストール、パッチ適用、ハードウェアのメンテナンスが不要)と、IBMのパイオニアであるDb2が提供する深く包括的なリレーショナル・データベース機能のセット(Standard EditionとAdvanced Editionの選択が可能)を、すべてオンデマンド価格で利用できる
大規模なトランザクションや分析ワークロード向けに設計されたIBM Db2は、金融サービス、公共部門、ヘルスケア、製造業など、さまざまな業界で広く利用されているリレーショナル・データベースだ。RDS for Db2は現在バージョン11.5のみをサポートしているが、バージョン11.1を実行している顧客は、スナップショットから新しいRDSインスタンスにバックアップとリストアの手順を実行することで移行できる。
IBM Db2 on RDSのサポートは、AWSへのレガシーおよびエンタープライズデプロイメントのリフト&シフトを促進するクラウドプロバイダーのコミットメントを示している。AWSのプリンシパル・デベロッパー・アドボケイトであるSébastien Stormacq氏は、Db2Tutorialウェブサイトで利用可能なサンプルデータセットとスクリプトを使用して、Db2インスタンスの作成と実行に関するガイダンスを提供している。彼はこう強調する。
Db2のルーツは、1970年代からIBMが行ってきたデータストレージとSQLに関する先駆的な仕事にある。Db2は1983年から市販されており、当初はメインフレーム用だったが、後にLinux、Unix、Windowsプラットフォーム(LUW)に移植された
ドキュメントに関しては、RDS for Db2は、インスタンスを開始する前に、顧客がライセンスを持参し、IBMの顧客IDとサイト番号を入力する必要がある。 プレスリリースの中で、IBMはこう付け加えている。
Amazon RDS for Db2の顧客がモダナイゼーションとAIイニシアチブを加速させるにつれて、彼らはAWS上でIBMの統合されたデータとAI機能の数々を活用し、データ管理とAIワークロードの拡張を行うことができるようになる。
コミュニティの反応はさまざまで、Guillaume Clement氏は次のように書いている。
LambdaでCOBOLを動かしている人たちがいる…
CTOアドバイザーLLCのKeith Townsend社長は、代わりにこうコメントしている。
技術的負債に対処し、企業のモダナイゼーションの仕事を難しくしないことを考えるなら、これは大きな問題だ
ネイティブのDb2ツールの他に、このエンジンは標準のDb2クライアントパッケージをサポートし、中国とGovCloudを除く全てのAWSリージョンで利用できるようになった。別の発表では、AWS Database Migration Serviceは、サポートされるターゲットエンドポイントにDb2を追加し、自己管理ワークロードのAWSへの移行を簡素化した。
価格ページによると、インスタンスのコストはオープンソースエンジンよりも若干高い。さらに、BYOLモデルではDb2のライセンス料は価格に含まれていない。
この新サービスに関するre:Inventのセッションは、YouTubeで公開されている。