マイクロソフトは、クラウドインフラとサービスの管理と運用を強化するために設計されたAIベースのツール「Copilot for Azure」を発表した。クラウドサービスからエッジテクノロジーに至るまで、Azureの機能性を包括的に理解し、扱うために、Azureリソースモデルを大規模言語モデル(LLM)の能力に活用している。
マイクロソフトのAzureインフラストラクチャ担当コーポレート・バイス・プレジデントであるErin Chapple氏は、この発表をブログ記事で要約している。クラウド管理の進歩は、複雑なインフラと厳しい要件を引き起こし、ITプロフェッショナルが情報探索の生産性を失う原因となっている。Chapple氏は、Microsoft Copilot for Azureは、複雑なタスクを簡素化し、新機能の発見と利用を支援し、チームや組織全体の効率を高める洞察を提供することで、これに取り組むと述べた。
GitHub Copilotが開発者の生産性を高めたのと同様に、Copilot for AzureもITプロフェッショナルに同様の恩恵を提供することを目指している。GitHubのエビデンスによると、Copilot機能の利用者は生産性が向上し、情報検索に費やす時間が短縮され、より充実した仕事に集中できるようになったということが示唆されている。
Microsoft Copilot for Azureは、組織のポリシーに沿ったサービスの設計と構成を支援し、コンプライアンス要件の設定と遵守のプロセスを簡素化する。運用では、Copilot for Azureにより、複雑なコマンドの実行と効率的なリソース管理が可能となる。また、関連する質問に対する回答を提供し、ITプロフェッショナルが複雑なクラウドインフラをより効果的にナビゲートできるよう支援する。トラブルシューティングでは、このツールは問題を特定し、原因を分析し、解決策を提案するといったさまざまなAzureサービスと統合することで、大きなアドバンテージを提供する。Copilot for Azureは最適化にも重点を置いており、クラウドサービスのコスト効率、スケーラビリティ、信頼性を向上させる方法を推奨する。
私たちはすでに、人工知能(AI)がさまざまな領域に急速にその範囲を広げ、タスクへの取り組み方や実行方法を再構築していることを目の当たりにしている。アマゾンが最近発表した新しい生成AIアシスタント「Amazon Q」は、顧客体験や事業運営の強化におけるAIの役割の拡大を反映している。マイクロソフトもIgnite 2023カンファレンスでDynamics 365 GuidesのAR Copilotを発表し、産業用ワークスペースへのAI統合を紹介した。このツールは、生成AIの力を(現実空間を仮想空間に反映させ、重ね合わせた)複合現実に組み合わせ、現場の作業員が複雑なタスクを処理し、より効率的に問題を解決するよう支援する。Dynamics 365 Guidesを使用することで、作業員は自然言語や作業対象を指差すなどの物理的なジェスチャーを使用してCopilotと対話できる。
テクノロジーコミュニティのメンバーは、ブログ記事のコメント欄でこの発表に関する議論に積極的に参加した。Thomas Oeser氏というユーザーがCopilot for Azureのコストについて質問し、JasonG33氏が プレビュー期間中は無料であると回答した。
Copilot for AzureはAzureポータル内に統合され、AzureモバイルアプリとCLIからアクセスできるようになる。Azure Resource Manager(ARM)や Azure Resource Graph(ARG)など、さまざまなAzure関連のデータソースを分析・解釈するために開発されている。マイクロソフトの従業員と少数の顧客グループは現在、Microsoft Copilot for Azureを使用している。興味のある読者はプレビューにサインアップできる。プレビューへのオンボーディングは毎週行われる予定だ。