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AWS、クラウドから移行するユーザーのデータ転送料免除を発表

原文リンク(2024-03-16)

先日、AWSは、クラウドを離れるユーザが、AWSインフラからデータを取り出すための下り方向のデータ転送料の免除を発表した。このイニシアチブは、欧州データ法のガイドラインに従い、顧客が代替のクラウドプロバイダーやオンプレミスのデータセンターに乗り換えるのを支援するためのものである。

クラウドプロバイダーは通常、クラウドへのデータ取り込みを無料で提供しているが、インターネットへの出力方向のデータ転送(DTO)に関連するコストは相当なものになる。以前、AWSはFree Tierの一部として、AWSリージョンからインターネットへの月間100GBのデータ取り出しを無料で提供していたが、この割り当てを超えるデータには料金が発生していた。今回の発表で、顧客はサポートに連絡することで、追加のデータについて無料のDTOをリクエストできるようになった。リクエストが承認されると、AWSはAWSサービス全体に保存されているデータの総量に基づいて一時的なクレジットを発行する。AWSの主任開発者であるSébastien Stormacq氏は、次のように説明している。

毎日何億ものデータ転送が行われており、インターネットに転送されたデータが通常業務の一部なのか、他のクラウドプロバイダーやオンプレミスへの切り替えの一部として1回だけ転送されたものなのか、一般的にはわからないため、サポートを通す必要がある。

欧州の規制当局からの圧力が強まる中、DTO料金の免除を導入しているプロバイダーはAWSだけではない。今年初めには、Googleが同等のオプションを導入し、マイクロソフトは今週、Azureを離脱する際のDTOを無料にすると発表した。Stormacq氏はこう付け加えている。

インターネットへの出力方向のデータ転送料金の免除は、欧州データ法(European Data Act)が定めた方向にも従っており、世界中のすべてのAWSユーザー、そしてどのAWSリージョンからでも利用できます。

クレジットは、クラウドからの移行に関連するDTO料金にのみ適用されるが、そのためにアカウントを閉鎖したり、すべてのホストされたワークロードを移行したりする必要はない。さらに、この免除はCloudFront、Direct Connect、Snow Family、Global Acceleratorなどのサービスからのデータ出力には適用されない。The Pragmatic Engineerニュースレターの著者であるGergely Orosz氏はこのようにコメントしている。

ヨーロッパは、(もちろんヨーロッパ内で)技術的な規制をどんどん強化していることで、多くの非難を浴びている。規制は新たなルールを設定し、多くの場合、企業は要求されなければ従わないものだ。AWSは、EUの規制のために、世界的に極悪なイグレスフィー(下り方向のデータ転送料金)を取り下げたばかりだ。

The Duckbill Groupの主要クラウドエコノミストであるCorey Quinn氏はこれに異論を唱えている。

もし誰かがAWSからワークロードを移そうと議論しているのであれば(このようなことはテック系メディアが信じさせるほど頻繁には起こらない)、イグレスフィーが高いから止めるということはない。その代わり、顧客が通常のビジネスを行っている時や顧客にトラフィックを送信している時に料金が痛むのであって、"クラウドを離れる時"に痛むのではない。今回の変更は、その核心的な痛みを解決するものではないが、規制当局にとっては、もし彼らが調子に乗っていなければ、そう見えるかもしれない。

AWSはFAQページを公開し、ユーザーが免除を申請する方法について詳しく説明している。別の発表では、AWSはプロバイダーを変更するユーザーに対して、公正ソフトウェアライセンス原則をどのようにサポートするかを説明している。

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