Microsoft社は、Azure OpenAI Serviceで"On Your Data"機能の一般提供を正式に開始した。この機能により、ユーザーはGPT-4を含むOpenAIモデルのフルパワーを活用し、RAG(Retrieval Augmented Generation)モデルの高度な機能をデータとシームレスに統合可能となった。同社によると、これらはすべてAzure上のエンタープライズ・グレードのセキュリティ(プライベート・エンドポイントとVPN経由)に支えられており、安全で保護されたユーザー・データ環境を保証しているという。
Azure OpenAI Service On Your Dataは、昨年6月にパブリックプレビューが開始された。Azure OpenAI Serviceをデータ上で活用することで、ユーザーは直ちに利用可能な高品質のAIの回答を得ることが可能となる。精度の高いプロンプトエンジニアリングを実装し、インテント抽出、検索、フィルタリング、再ランキング、データ取り込みなどのコンポーネントを細かく調整することで、各モデルに最適化された、正確で簡潔かつ一貫性のあるレスポンスを実現している。
Azure OpenAI Service On Your Dataは、場所を問わず、あらゆるソースからユーザーのデータを取り込み、接続する。
オンユアデータ機能によるCopilot 概要(出典:Tech Communityブログポスト)
さらに、ユーザーはOn Your Data機能を活用して、リアルタイムのドキュメント検索、法的文書の分析、サンプルコードの生成、健康アドバイスなどを行うことが可能である。
FITTSの技術責任者であるBen Kasema Mungai氏は、LinkedInのブログ投稿で次のように記載している。
小売から金融まで、Azure OpenAI Service On Your Dataは多用途です。顧客体験を大規模にパーソナライズしたり、市場動向や規制文書の分析を自動化したりできます。
ユーザーが自分のデータをAzure OpenAIモデルで使えるようにするには、必要なAzureサブスクリプションでAzure OpenAIへのアクセス権が付与されていること、サポートされているリージョンに サポートされているモデルでデプロイされているAzure OpenAIリソースがあること、Azure OpenAIリソースに対して少なくともCognitive Services Contributorロールがあることが必要である。そうすると、Azure OpenAI Studioを使ってデータに接続し、Appをビルドすることが可能となる。
Microsoft社のカスタマー・エクスペリエンス・エンジニアであるSaverio Proto氏は、以前のMediumブログ投稿で次のように結論づけた。
要するに、Azure OpenAIの"use your data"機能は、複雑なRAGパイプラインを必要とすることなく、プロンプトグラウンディングを簡素化しています。アプリケーションの作成を目指す顧客にとって、Azure Cognitive Searchの基本的な知識を持つことは不可欠です。Azure OpenAIとAzure Cognitive Searchを組み合わせることで、企業データとシームレスに連携するAIアプリケーションの開発が可能になり、安全性と拡張性が保証されたソリューションを提供できます。
詳細はドキュメントページで確認できる。また、QuickStartも用意されている。