最近、F5社の元従業員でNginxプロジェクトの主要開発者が、人気のあるウェブサーバのフォークFreenginxを発表した。この新しいプロジェクトは、セキュリティ上の論争に対処するために開始され、企業ではなく開発者によって運営されるNginxのドロップイン代替となることを望んでいる。元F5社のプリンシパル・ソフトウェア・エンジニアであるMaxim Dounin氏が、このフォークについて見解を述べている。
残念なことに、F5社の新しいエンジニアではない経営陣は最近、オープンソースプロジェクトの運営方法ついて自分たちの方がよく知っていると判断した。特に、彼らはNginxが長年使用してきたセキュリティポリシーに干渉することを決定し、ポリシーと開発者の立場の両方を尊重しなかった。
もともとはIgor Sysoev氏によって開発され、現在はF5社によってメンテナンスされているNginxは、ウェブサーバ、リバースプロキシ、キャッシング、ロードバランシング、メディアストリーミングのためのオープンソースソフトウェアである。ウェブサーバサーベイによると、Ngnixは最初の発売から20年経った今でも、全サイトの23.21%にサービスを提供している主要なウェブサーバである。Hacker Newsの人気スレッドで、ユーザーのsevg氏はこう指摘している。
注目すべきは、アクティブな「主要」開発者はMaxim Dounin氏（OP）とRoman Arutyunyan氏の2人だけだということです。Maxim氏は現在も活動している最大の貢献者です。Maxim氏とRoman氏は現在の開発の99％を占めています。つまり、これはかなりインパクトのあるフォークでした。
Dounin氏はnginx-develメーリングリストでの発表の中で、Nginxが2つの重大な脆弱性に対処するセキュリティパッチを発行することになった最初の論争を強調している。彼はこう補足した。
私はもはやF5社内でNginxに加えられる変更をコントロールできないし、Nginxを公共の利益のために開発・保守されるフリーでオープンソースのプロジェクトとはもはや考えていません。そのため、今日から私はF5社が運営するNginxの開発には参加しません。その代わりに、企業ではなく、開発者によって運営される代替プロジェクトを立ち上げています。
FreenginxはNginxの最初のフォークでもドロップインでもない。Angieは、2020年にF5社がロシアから撤退した際に、他のロシアのNginx開発者によって作られ、現在はロシアのWeb Server社によって管理されている。DeepOpinionのリード・バックエンド開発者であるDiogo Baeder氏は次のようにコメントしている。
Nginxは素晴らしいソフトウェアであり、プラットフォームであるが、そろそろRustをベースとしたより先進的なソリューションを作る時期ではないかと思っています。似たようなモデルに従い、Nginxのコンフィギュレーション言語を「理解」し、似たようなパフォーマンスレベルに達するソリューションを持ちながら、Rustのメモリ安全性と幅広いコミュニティでの採用があれば、素晴らしい新しいプロジェクトにつながるかもしれません。NginxがApache HTTPに対して行ったことをNginxに対して行うことさえあるでしょう。
ネットワークエンジニア兼アーキテクトのVincentz Petzholtz氏は、楽観的ではなく、こう補足した。
プロジェクトが困難な方向に進んでいる場合、フォークしかないこともあります。最終的には、ユーザが採用とインストールベースで投票するでしょう。
最初のリリースバージョンはFreenginx-1.25.4で、Nginxと同じBSDライセンスだ。Douninは読み取り専用のMercurialリポジトリへのアクセスを提供し、GitHubに移行するオプションは今のところ捨てている。プロジェクトは新しい開発者メーリングリストを開始した。