AWS、生成AIアプリケーション構築のためのAmazon Bedrock Studioを発表

原文リンク(2024-05-24)

AWSはこのほど、開発者が共同で生成AIアプリケーションを構築するためのウェブインターフェース「Amazon Bedrock Studio」を発表した。現在公開プレビュー中のこのラピッドプロトタイピング環境は、複数の基礎モデル、知識ベース、エージェント、ガードレールへのアクセスを提供する。

Bedrock Studioのインターフェースは、モデルのレスポンスの改善、モデル設定、ツール、APIの試し、ガードレールの設定するための、様々なステップを開発者にガイドする。AWS管理者は、Management Console for Bedrockで1つまたは複数のAmazon Bedrock Studioワークスペースを組織用に設定し、個人やグループに権限を付与できる。

出典: AWSブログ

AWSのプリンシパルデベロッパーアドボケイトであるAntje Barth氏は、Amazon Bedrock Studioの始め方を説明している。

AWS管理者として、まずAmazon Bedrock Studioのワークスペースを作成し、ワークスペースにアクセスさせたいユーザーを選択して追加する必要があります。ワークスペースが作成されたら、ワークスペースのURLをそれぞれのユーザーと共有できます。アクセス権を持つユーザーは、シングルサインオンを使ってワークスペースにサインインし、ワークスペース内にプロジェクトを作成し、生成AIアプリケーションの構築を開始できます。

Amazon SageMaker Studioのようなマネージドサービスと同様、開発者はAWSコンソールやインフラ、サービスにアクセスすることなくプラットフォームが提供する機能のみアクセスできる。AWSコンソールやインフラ、サービスにはアクセスできない。Barth氏はこう付け加える。

Amazon Bedrock Studioでアプリケーションを作成すると、ナレッジベース、エージェント、ガードレールなどの対応するマネージドリソースが自動的にAWSアカウントにデプロイされます。Amazon Bedrock APIを使って、下流のアプリケーションでそれらのリソースにアクセスできます。

出典: AWSブログ

Amazon Bedrock Studioは、エージェント、複数の基礎モデル（FMs）、様々なツールなどの機能をサポートしている。ナレッジベースは、検索補強生成（RAG）を実装し、引用を含むレスポンスを提供することで、ユーザがソーステキストを確認し、事実の正確さを保証可能にする。ガードレールによって、開発者は特定のユースケースとAIポリシーに基づいて、生成AIアプリケーションにセーフガードを実装できる。

記事「a first look at the brand new Amazon Bedrock Studio」の中で、NTTデータのプリンシパルクラウドアーキテクトであるMonica Colangelo氏は、現在Bedrock Studioが利用可能なリージョンと同じリージョンでAWS IAM Identity Centerを構成する必要があるなど、プレビューの制限事項を強調している。彼女はこう書いている。

Amazon Bedrock Studioの機能は全く新しいものではなく、以前からAmazon Bedrockのサービスを通じて利用可能でしたが、真の価値提案は、ユーザーがこれら全ての機能を一緒に試せるシームレスなプレイグラウンド環境にあります。この統一されたアプローチにより、参入障壁が大幅に低くなっています。

Bedrock Studioに関連する追加費用はなく、顧客はBedrockの使用料のみを支払う。Duckbill Group社のチーフクラウドエコノミストであるCorey Quinn氏はコメントで次のように述べている。

次はBedrock Canvasかな。SageMakerがやったことだ。あの泥棒どもは、彼らの略奪的な価格設定モデルに対して、いまだに私に260ドルのクレジットの支払い義務がある。

Ampt社の創設者兼CEOであるJeremy Daly氏は、代わりにこう書いている。

怖いくらいに良くなっているものもあります。

AWSのシニアデベロッパーアドボケイトであるBanjo Obayomi氏は、新しいワークスペースがどのように機能するかを示すデモ動画を作成した。Bedrock Studioは現在、米国のバージニア州北部とオレゴン州の2つのリージョンでのみパブリックプレビューが可能だ。