Google Cloudは、サポートの終了するCloud SQL MySQLや PostgreSQLへの延長サポートを発表した。ユーザーがメインデータベースの運用を維持し、より効率的なアップグレードプランが立てやすくなることを目的としている。 2025年2月1日以降、MySQL 5.6、5.7やPostgreSQL 9.6、10、11、12などのバージョンは延長サポートフェーズに入る。このため、顧客は標準サポート期間終了後も、これらのバージョンを使い続けることが可能となる。
延長サポート期間中は、重要なセキュリティパッチとバグ修正が行われる。そのため、即時アップグレードなしで、データベースの安全性と運用性の維持が担保される。今回のサポート期間の延長により、企業が業務に支障をきたすことなく、新しいバージョンへデータベースを移行する時間を確保できるようになる。このサービスは、互換性の問題に直面する、またはアップデートのテストやデプロイに時間を要する企業には、特に有益である。
Googleのブログ記事によると、顧客が選択した場合、メジャーバージョンの延長サポートが3年間提供される。この期間を過ぎると、メジャーバージョンは非推奨として扱われる。非推奨バージョンを運用しているCloud SQLインスタンスは、サポート対象内の新しいメジャーバージョンに自動でアップグレードされる。新しいバージョンへのアップグレードに支障のあるインスタンスは、サポートの対象外となる。
顧客が通常サポート対象のバージョンにアップグレードすることで、いつでも延長サポートを解約できる。Cloud SQLでは、いくつかの方法で新しいメジャーバージョンにアップグレードできる。アップグレードには、Database Migration Service(DMS)やエクスポートを利用して、メジャーバージョンのインプレース・アップグレード(MySQL、PostgreSQL)や新しいバージョンへの組織のデータの移行を行う方法がある。
また、Adam North氏とRonald Bradford氏によるGitHubプロジェクトでは、実用的で実りあるプラン設計が捗るように、MySQL 5.7やPostgreSQL 11から新しいバージョンにアップグレードする際には、補足資料の作成や、既存資料の集約、重要な日付や期限の要約整理が行われる。両氏は、次のように述べている。
Amazon RDSやGoogle Cloud SQLなどのマネージドサービスは、こうしたアップグレードを行うための猶予期間を設けており、状況によっては延長サポートを提供している。
さらに、Google Cloudの競合であるAWSは、Amazon AuroraやAmazon Relational Database Service(Amazon RDS)で運用中のMySQL 5.7データベースインスタンスとPostgreSQL 11データベースインスタンスが、2024年2月29日開始のAmazon RDS Extended Supportに自動登録されると発表した。
RedpandaのソフトウェアエンジニアであるStano Bocinec氏は、下記のようにツイートをした。
GCPは、製品の旧バージョンの使用を企業にやめるよう動機づける方法をAWSのメンティーから学んだが、今では、自社でも延長(値段の張る)サポートの提供を始めつつある。
加えて、Azure DatabasesのMySQLバージョンとPostgreSQLバージョンには、MySQLバージョン5.7と8.0やPostgreSQLバージョン9.6以上のサポートポリシーが適用されている。
最後に、延長サポートの価格詳細については、2024年8月15日までにCloud SQLの価格ページとCloud SQLのリリースノートで発表予定である。