Redisは、Redis Cloud Packagesという新製品をリリースした。これは、特定のワークロードやユースケースに対応するように設計された、設定済みのRedis Cloudインスタンスの組み合わせであり、ユーザーは手作業による設定を省略でき、Redisインスタンスを管理する手間を省けるため、開発者にとってより身近で効率的となる。ユーザーは、キャッシュ、NoSQLデータベース、またはベクトル検索にパッケージを使用できる。
Redis Cloudは、主要なパブリッククラウドサービス上で完全に管理されたRedisデータベースを提供する設計をされており、即時のフェイルオーバー、バックアップとリカバリ、24時間365日の監視とサポート、線形スケーラビリティ、予測可能なパフォーマンスなど、Redis Enterpriseのすべての機能をユーザーに提供する。
ベクトル検索としてのRedisは、レコメンデーションシステムからドキュメントチャットまで、AIアプリケーションの基盤の提供を目的としており、開発者はエージェントとRAG(Retrieval Augmented Generation)を利用して独自のバーチャルアシスタントを構築し、LLM(大規模言語モデル)からの応答を強化できる。さらに、Redis Vectorインデックスは類似検索で管理される。ユーザーは以下の手法から選ぶことができる。FLAT(総当り手法)、HSNW(階層的スモールワードグラフを利用した近似手法)の2つの手法から選択できる。Redisベクトル検索でサポートされている2つのベクトル間の類似度を測定するメトリクスは、ユークリッド、内積、コサインである。Redisベクトル検索に興味のあるユーザーは、Redisの学習セクションページでリソースを見つけられる。
LangChain社の共同設立者兼CEOのHarrison Chase氏は次のように述べている。
「OpenGPTでは、検索用のベクターストアや、メッセージやエージェント設定を保存するデータベースなど、永続的なものすべてにRedis Cloudを使っています。Redisから1つのデータベースでこれらすべてを行えることは本当に魅力的です。」
RedisJSONは高性能NoSQLドキュメントストアであり、JSONドキュメントの取り込み、インデックス、クエリ、全文検索をするネイティブAPIを提供する。
- インメモリJSONストア - スキームフリーのJSONをインメモリで保存・処理し、毎秒数百万回の処理をサポートする。
- インデックスとクエリ - JSONドキュメントにインデックスを作成し、複雑な集計をし、プロパティ、数値範囲、地理的距離でフィルタリングできる。
- フルテキスト/ファジー検索 - JSONは、複数の言語でフルテキストインデキシングとステミングベースのクエリ展開をサポートし、テキスト検索だけでなく、複雑な構造化クエリや「ファジー」検索をできる豊富なクエリ言語を提供する。
「testkey」という名前の1つのRedisキー内にJSONドキュメントを作成する例を見てみよう。
redis> JSON.SET testkey .'[ 123, { "life": 42 },{"fish", "please"} ]'.OKredis> JSON.GET testkey "[123,{"life":42},{"fish", "please"}]"
ここで重要なのは、Redis EnterpriceとRedis Cloudの両方がRedis Community Editionと互換性があることだ。
始めるには、ユーザーはGoogleかGitHubのアカウントでサインアップし、利用可能なプランから選ぶだけでいい。現在、3つのサブスクリプションプランがある。
- 無料のRedis Cloud Essentials - トレーニングやプロトタイプ作成用に設計されており、30MBのストレージと最大30同時接続が利用できる。
- Redis Cloud Essentials(有料) - 低スループット・シナリオ向けのコスト効率に優れたオプションで、250MBから12GBまでのストレージ容量、256から無制限の同時接続が利用できる。
- Redis Cloud Pro - Redis Cloud Essentialsと比較して、より多くのデータベース、より大きなスループット、無制限の接続をサポートし、50TBのストレージと無制限の同時接続を提供する。
サブスクリプション・プランの詳細は、サブスクリプション・ページで確認できる。