AWSは、ハイメモリワークロード向けに設計されたGraviton4搭載メモリ最適化Amazon EC2 X8gインスタンスの提供を開始した。10種類の仮想サイズと2種類のベアメタル構成で利用可能なこれらのインスタンスは、最大3TiBのDDR5メモリと192個のvCPUを提供し、以前のモデルよりもパフォーマンスが大幅に強化されている。
X8gインスタンスは、第5世代のAWS Nitro SystemとGraviton4プロセッサをベースに構築されている。これらのプロセッサーには、命令レベルでの制御フローを乱すことを目的とした低レベルの攻撃から保護するBTI(Branch Target Identification)などのセキュリティ機能が追加されている。さらに、インスタンスはENA、ENA Express、EFA Enhanced Networkingをサポートしている。
AWSのチーフ・エバンジェリストであるJeff Barr氏は次のように書いている。
前世代(X2gd)インスタンスと比較すると、X8gインスタンスは3倍以上のメモリ、3倍以上のvCPU、2倍以上のEBS帯域幅(19Gbpsに対して40Gbps)、2倍以上のネットワーク帯域幅(25Gbpsに対して50Gbps)を提供する。
そして、
X8gインスタンス内のGraviton4プロセッサは、X2gdインスタンス内のGraviton2プロセッサと比較して、プロセッサ1コアあたり2倍のL2キャッシュ(2MiB対1MiB)、160%高いメモリ帯域幅、最大60%のより良い計算性能を提供できる。
EC2 X8gインスタンスのサイズ(出典:AWS Newsブログ記事)
同社によると、EC2 X8gインスタンスは、EC2 Xシリーズインスタンスの中で最高のコストパフォーマンスを持つという。EC2 X8gインスタンスは、電子設計自動化(EDA)ワークロード、インメモリデータベース(Redis、Memcached)、リレーショナルデータベース(MySQL、PostgreSQL)、リアルタイムビッグデータ分析、リアルタイムキャッシングサーバー、メモリ集約型コンテナアプリケーションなど、メモリ集約型のワークロードに最適だ。
Redditのトレッドで、ストレージとメモリ最適化EC2インスタンスとの比較に関して、ある回答者が説明している。
EC2では、3つのインスタンスタイプを考えみよう:C、M、Rだ。
Cはコンピュート最適化だ。各vCPUには2GBのRAMが割り当てられ、比率は1:2だ。
Mはその中間だ。1:4の比率だ。
Rはメモリ/RAM最適化で、1vCPUごとに8GBのRAMを使用する。
これにより、何も「無駄に」することなく、ワークロードに適したサイズのインスタンスを選ぶことができる。4GBのRAMしか使用できない32ビット・アプリケーションの場合は、Cタイプのインスタンスを使用する。キャッシュのために大量のメモリが必要だが、 計算量はそれほど多くない場合(データベースなど)はRタイプを使おう。よくわからない場合はMタイプだ。
新しいインスタンスタイプによって、AWSは競合他社であるAzureやGoogleに先んじるために限界を押し広げ続けています。メモリに最適化された仮想マシンに関しては、マイクロソフトはAzureの超メモリ最適化VMインスタンスであるMファミリーVMサイズシリーズを提供しており、グーグルもメモリに最適化された VMシリーズを提供している。
最後に、X8gインスタンスは、米国東部(バージニア州)、米国西部(オレゴン州)、欧州(フランクフルト)のAWSリージョンで、オンデマンド、スポット、リザーブドインスタンス、セービングプラン、専用インスタンス、専用ホストの形態で利用できる。