次期Android 15リリースの最新ベータ2では、開発者向けプレビューとしてタブレット向けのデスクトップウィンドウが導入された。この新機能は、ユーザーが複数のアプリを表示するために作成し、デスクトップコンピューターで行うのと同じようにサイズを変更したり移動したりできる「フリーフォーム・ウィンドウ」の管理を可能にする。
Androidタブレット上でのデスクトップウィンドウは、特に生産性とマルチタスクに関して、アプリに新たな機会を生み出します。複数のアプリのウィンドウをリサイズしたり再配置したりできるため、ユーザーはドキュメントを簡単に比較したり、電子メールを作成中に情報を参照したり、マルチタスクを効率的にこなしたりできます。
デスクトップウィンドウ機能には、刷新されたシステムUIと開発者向けの新しいAPIが含まれ、各アプリを独自のウィンドウに収め、複数のアプリを同時に並べて実行できる。デスクトップUIと同様に、アプリウィンドウには最小化、最大化、移動のためのヘッダーバーが含まれる。アプリは、タブ、ボタン、ドロップダウンメニューなどを表示し、ヘッダーバーの内容のカスタマイズもできる。
ユーザーが作成するすべてのウィンドウをよりよく管理するために、システムUIは、実行中のアプリを表示する固定タスクバーと、より頻繁に使用するアプリをすばやく起動するためのショートカットを提供する。また、各アプリがフルスクリーンで表示されるAndroidのデフォルトであるフルサイズ・モードと、デストップウィンドウモードを、素早く簡単に切り替えられる。
開発者にとって、アプリをデスクトップウィンドウモードの利点を活用可能にすることは、異なる画面サイズやデバイス構成に適応するためのレイアウト最適化を実装することを意味する。この要件は、Googleが大画面をサポートするTier 2と呼んでいるものに相当し、タブレット、フォルダブル端末、ChromeOSなど、さまざまなフォームファクター向けにアプリが特別に設計される最上位のTier 1よりも要求が低い。Tier 2アプリは、レスポンシブまたはアダプティブであることに加え、キーボード、マウス、トラックパッドなど、さまざまな入力デバイスをサポートする必要がある。
フルスクリーンで動作するTier 3アプリの場合、開発者は、レイアウト、コンテンツ、インタラクションを異なるウィンドウサイズに適応させるために、ウィンドウサイズクラスのサポートを実装し、セッションをまたいだレイアウト構成の変更を持続させる必要がある。
これに加えて、フリーフォーム・ウィンドウは当然ながら複数のアプリを同時に実行することにつながるため、開発者はアプリをドラッグアンドドロップに対応させ、カメラやマイクのような、他の同時実行アプリも使用する可能性のあるリソースへの排他的なアクセスを要求しないようにする必要がある、とGoogleは述べている。
デスクトップウィンドウによって可能になる新しい可能性は、同じアプリの複数のインスタンスを別々のウィンドウで実行することだ。アプリがこの可能性をサポートしている場合、システムUIのマルチインスタンスプロパティを設定し、ユーザーが複数回起動できる。
最後に、デスクトップウィンドウと互換性のあるアプリは、ウィンドウのヘッダー・バーが常に表示され、アプリのコンテンツが見えなくならないように、その座標を考慮してレイアウトされることを意識すべきである。
前述の通り、デスクトップウィンドウはAndroid 15 QPR1 Beta 2リリースの一部であり、「開発者向けオプション」で「フリーフォームウィンドウを有効にする」オプションを選択することで有効にできる。