マイクロソフトはGraphQL用Fabric APIを発表し、データアクセスレイヤーをパブリックプレビューから一般提供(GA)に移行した。このリリースでは、Azure SQLとFabric SQLデータベースのサポート、保存された資格情報認証、詳細な監視ツール、CI/CDワークフローとの統合など、いくつかの機能強化が導入されている。
このリリースでは、Azure SQLとFabric SQLデータベース(プレビュー)をサポートしている。開発者は、GraphQLを使用してこれらのデータベースに直接問い合わせることができるようになり、アプリケーションへの構造化データに統合する際の手間が軽減される。Fabric SQLは合理化されたエクスペリエンスを提供し、開発者は最小限の構成でデータベースからGraphQLエンドポイントを作成できる。
今後、マイクロソフトファブリックのCTOである Amir Netz氏は、NoSQLデータベースを含め、データベースのサポートをさらに拡大する計画を確認した。
さらに、保存された資格情報機能は、従来のクライアント資格情報に代わるものを提供する。この方法では、APIは呼び出しごとにユーザー固有の資格情報を必要とするのではなく、事前に設定された接続を通じてバックエンドのデータソースにアクセスする。このアプローチは、機密情報を漏洩するリスクを減らすだけでなく、複数のユーザーとデータソースが存在する環境での権限管理を簡素化する。クライアント資格情報ベースの認証は、ユーザー固有のアクセスが必要なシナリオのオプションとして残る。シングルサインオン(SSO)機能もサポートされ、APIがバックエンドリソースに接続する方法に柔軟性を提供する。
(出典:マイクロソフトのブログ)
このリリースにはモニタリングダッシュボードも含まれており、APIの活動を明確に把握できるため、開発者は使用パターンの分析、問題のトラブルシューティング、パフォーマンスの最適化できる。メトリクスは時間範囲ごとに集計ができ、詳細なログは個々のAPIリクエストの詳細な調査を可能にする。
GraphQL用Fabric APIは現在、GitHubおよびAzure DevOpsリポジトリとの統合をサポートしており、開発者はAPI定義のバージョン管理を維持できるようになった。デプロイメントパイプラインは、開発環境、テスト環境、本番環境にわたるAPIの移動を簡素化する。開発者はまた、API設定の変更に基づいてデプロイを自動化し、一貫性を確保し、リリースプロセス中の手動介入を減らすことができる。
このリリースは、開発者コミュニティから熱狂的な反応を得ている。Chris Nunn氏は次のようにコメントしている。
Fabricエコシステムに新しいファミリーメンバーが加わりました。これはすごいことだ。これにより、Fabricのビジョンが完成し、あらゆるワークロードに最適なエンジンを選択できるようになりました。
Raghavendra Prabhu氏は次のように付け加えた。
マイクロソフトとFabricチームに、この大きな発表を称賛します。Fabricの一般提供(GA)からの1周年に合わせたタイミングでの発表です。このデータベースの発表により、FabricはデータプラットフォームのART(分析、リアルタイム、トランザクション)を完成させました。
コストへの影響についての質問も出た。Emmanuel O. Appiah氏は、新しいAPIは容量単位を超えて別途課金が必要になるのかと質問した。Amir Netz氏は、追加コストは発生しないと答えた。
詳細は公式ドキュメントに記載されている。