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インタラクション・ネットに基づく新しいプログラミング言語Vine

原文リンク(2025-03-11)

Vineプログラミング言語インタラクション・ネットに基づいて構築された新しい実験的言語である。関数型プログラミングパターンと命令型プログラミングパターンの相互運用性を特徴としている。

Vineは静的型付けのコンパイル言語ですっきりとした直感的な構文を持っている。その基礎となるのはインタラクション・ネットの計算機モデルである。Vineはインタラクション仮想マシン(IVM)上で動作する低レベルのインタラクション・コンビネータ言語Ivyにコンパイルされる。

Hacker Newsのスレッドでtijvi氏はこうコメントしている。

インタラクション・ネットは代替的計算機モデルです(ラムダ計算チューリングマシンに似ている)。いくつかの興味深い特性があり、もっとも注目すべき点のひとつは基本的に並列であることです。 並列分散コンピューティングをはじめとする多くの分野でインタラクション・ネットの潜在的アプリケーションがあります。そのようなアプリケーションには言語が必要になります — それゆえVineです。

Vineプログラミング言語には整数や浮動小数点数の演算、ブール論理、、文字列操作、タプル、if-else文やループなどの基本的な制御フロー構造といった標準的な機能が含まれている。構文と型システムはRustの影響を受けており、式指向のアプローチとモジュール構造を重視している。

さらにRust以外の関数型言語、たとえばHaskellErlangElixirOCamlなどとも共通点がある。これらの言語は不変性、安全性、パフォーマンス、並行性を重視しており、Vineの設計思想と一致している。

BlueskyでソフトウェアエンジニアのDevon氏が投稿した

Vine.devのドキュメントを読むとHaskellに初めて触れたときのことを思い出します-頭が混乱しますがこの言語がベースにしている計算の代替モデルに由来する非常に興味深いアイデアがいくつかあります(Vine : interaction nets :: Haskell : lambda calculus, kinda)。

Vine言語のコンパイラはソースコードをインタラクション・ネットに変換するために、マルチステージアーキテクチャを採用している。

  • コンパイラはまずCLIエントリーポイントがコンパイルオプションとエントリーポイントを収集し、その後、ローダーがファイルを抽象構文木(AST)にパースする。
  • 次にリゾルバーがモジュールグラフを構築し、特定のASTノードのあいまいさを解消する。チェッカーは式の型と形式を検証する。
  • 同時にディスティラーはASTをVine中間表現(VIR)に変換し、複雑な式を簡素化し、制御フローをスタック型フローグラフに変換する。
  • ノーマライザーはVIRから発散を除去し、アナライザーは到達可能性とデータフロー分析を行う
  • 最後にエミッタが処理されたVIRをIvyネットに変換し、Vineの並列計算のためのコンパイルプロセスを完了させる。

Vineコンパイラを試すための様々な例が含まれたGitHubプロジェクトがある。

Vineの開発に興味がある開発者は公式ドキュメントにアクセスできる。ドキュメントにはインストールから並行プログラミングのパターンや既存システムとの統合といった高度なトピックまで、包括的なガイダンスを提供している。

最後に、Vineプロジェクトはオープンソースであり、活発にGitHubでメンテナンスされている。開発チームはコミュニティへの参加を奨励しており、開発者にコードの貢献、問題の報告、フィードバックの提供を呼びかけている。

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