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ソフトウェアアーキテクトが日常業務で人工知能をどのように活用しているか

原文リンク(2025-02-20)

ソフトウェアアーキテクトやシステム・アーキテクトがすぐに生成型人工知能(AI)や大規模言語モデル(LLM)に取って代わられることはないだろう、とAvraham Poupko氏は述べている。彼らは生成型AIとLLMを活用する方法を知っているソフトウェアアーキテクトに置き換えられるだろう、そして同時に重要なのは、生成型AIを使用すべきでない場面を知っていることだ。

Avraham Poupko氏はOOPカンファレンスで、アーキテクトとして日々の仕事に人工知能をどのように活用しているかを講演した。

LLMという言葉はLarge Language Model(大規模言語モデル)を意味する。Poupko氏は人間と機械の違いについての問いが根本的なものであり、それを理解することがLLMを理解するために重要だと主張した。

人間は本当の意味での言語モデルを持っているわけではなく世界モデルを持っている、とPoupko氏は述べた。人間は世界の中の物体がどのように振る舞い、互いにどのように相互作用するかを理解することで世界を理解している。この世界モデルは多くの経験や相互作用の結果である、とPoupko氏は説明した:

私たちが話し言葉や書き言葉を使って世界についてコミュニケーションをとる時、それは世界モデルのひとつの表現に過ぎず、非常に限定された表現に過ぎません。

一方、LLMは単語や言語モデルしか持っていない、とPoupko氏は述べた。LLMは単語同士がどのように関連しているかのみを知っている。そのモデルはしばしば驚くべき一般的理解と専門的理解の錯覚を与えるが、それは本当の理解ではない。単なる単語の連続に過ぎない、と彼は言った。

世界の知識の大部分はテキストや単語で捉えられるのは事実だが、私たちの世界知識や世界理解の他の部分は経験に基づくものであり、単語で適切に捉えることはできない、とPoupko氏は述べている。これは特に状況が非常に文脈依存的で、その場にいる人は文脈を認識しているものの、すべての文脈が言語化されているわけではない場合に当てはまる、と彼は付け加えた。

アーキテクトと大規模言語モデルが協力してより良いソフトウェアアーキテクチャを創り出すことができる、これは人間と本が協力する方法にどこか似ている、とPoupko氏は述べた:

人間は本を使って学び、理解します。人間は目の前の事例が本に記載された事例と似ているかどうかを判断し、もしそうであれば本から学んだ知識を文脈に適した方法で適用します。

これこそ私たちがLLMと行っていることだ。とPoupko氏は述べた。私たちはLLMにプロンプトまたは一連のプロンプトを与え、レスポンスを受け取る。そのレスポンスは通常、正しいとも間違っているとも言えない、むしろそのレスポンスが有用か無用かということである(有名なGeorge Box氏の言葉の引用「すべてのモデルは間違っているが、中には役に立つものもある」のように)、と彼は説明した。私たちが有用と言う時は、人間にとって有用であるという意味である。そのモデルが本当に有用かどうか、どのような文脈で有用かどうかを判断するのは人間であり、適用するかどうか判断する、と彼は述べた。

Poupko氏はAIがもっとも有用なのは書き言葉を使うタスクだと述べた。彼がLLMをよく使うケースは要件文書を読んで曖昧さを発見する必要がある場合、つまり、ひとつの要件が複数の意味を持つようなケースである。

講演の中で彼は、あるオンラインシステムが持つ要件の例を挙げた:

システムは大量のユーザーを処理できなくてはなりません。

曖昧さを検出するよう求めたところ、彼が使っていたLLMは2つの曖昧さを検出した:

  1. 大量のユーザー」という用語は具体的でないため、有用ではありません。「大量」とは何人ですか?100人? 1,000,000人?
  2. 「大量のユーザー」という用語は、システムに登録されている大量のユーザーをサポートするデータベースを意味する場合もあれば、大量の同時ユーザーを意味する場合もあります。もちろん、両方を意味する可能性もあります。

次にPoupko氏は、これらのあいまいさを解決するために必要な情報を探るためにLLMを使用した。

AIは私のために設計作業を行うわけではない、とPoupko氏は述べた。効果的なアーキテクチャを作成するためにはシステム知識、ドメイン知識、組織知識が必要であり、それらについてAIが私を置き換えることはできない、と彼は結論付けた。

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